第1章 19年後 クリスマス
「わーお!ジョージおじさんからの悪戯グッズの詰め合わせだ!」
ジョージはウィーズリー・ウィザード・ウィーズをますます成功させていて、毎年クリスマスに詰め合わせを送ってくれる。
「リリー、ジョージおじさんからプレゼントよ。」
しかし、今年のリリーへのプレゼントは箱に入っていなかった。
ジニーが昨日快適に過ごせるように魔法の泡に閉じ込めておいたのだ。
「ピグミーパフだわ!」リリーが嬉しい悲鳴をあげた。
「ねえ、来年からホグワーツに連れていってもいい?ママ?」
「いいわよ、私も学生の頃、ホグワーツに連れていっていたの」
ジニーがリリーの頭を撫でる。
ジニーが気を利かせたのかリリーとソファーに座ってくまとピグミーパフの名前について話し始めた。
ハリーはロンとハーマイオニーからのプレゼントをあげているジェームズとアルバスのところに歩み寄った。ジェームズには箒磨きセットでアルバスには隠れん防止器だった。見覚えのあるセレクトに苦笑して、ハリーは2人の息子を呼んだ。
「ジェームズ、アルバス。今年のプレゼントは少し特別なんだ。部屋まで来てくれるかい?」
ジェームズとアルバスは期待に顔を輝かせながらハリーの後をついて部屋を出た。
「なんなの?パパ」
「ねえ、教えてよ」
ハリーは笑って2人を自分の書斎(ジニーも共同で使っている)に招き入れた。
ハリーは引き出しから透明マントと忍びの地図を出した。
2人の顔が失望に変わった。
「萎びたマントと…」
「ただの紙切れ…?」
ハリーはニヤッと笑って説明し始めた。
マントはイグノタスという先祖から引き継がれている透明マントだということ、長男が代々引き継ぐこと。
羊皮紙はホグワーツの完全な地図であること。2人の祖父と友達が作って、2人の叔父達が手に入れたこと。
2人の目が丸くなっていくのを見て、ハリーは自分が楽しんでいることに気がついた。
そしてマントはジェームズに、地図はアルバスに渡した。
2つのものが手を離れる時、少年時代がもう一度終わったような気がした。
2人は顔を輝かせて受け取った。
「パパ、ありがとう」
人を傷つけるのに使うんじゃないぞ、と言おうとしてやめた。2人なら大丈夫だ。
その代わり、ハリーにマントを渡してくれた人のことをはっきり思い浮かべていった。
「上手に使いなさい」