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19年後~Harry potter~

第3章 ホグワーツの戦い


「あなたは何もかも自分のせいだと思っているわ。でもそれは私もそうよ。あの夜、DAのコインが熱くなっていることに気づいたのは私なの。私がフレッドを、戦いに連れて行ったのよ。」

「でも、そんなの…」


「そうよ、どうしようもないことだわ。だけど、あなただってそうなのよ。あなたが頼んでヴォルデモートに狙われたわけじゃない。あなたが頼んで生き残った男の子になったわけじゃない。その事にまだみんなが気づいていないと思っているなら、ハリー、あなたはちょっとおバカさんね」

ハリーは少し救われた気持ちになった。そして、気付いた。わかっていなかったのは自分だということを。

一生背負っていかねばならないものを自分は背負っている。

それは今でも変わらない。

フレッドのあのいたずらっぽい笑顔。ハリーを名付け親にしたリーマス。おっちょこちょいなトンクス…。

ハリーの頬を涙がつたうのを感じた。

そして今、やっとハリーは理解した。

自分がみんなの死から逃げたかったのだということを。自分を責め、悲しみを忘れようとしていたのだということを。そして、そんなことは誰も望んでいないということも。

ハリーは泣いた。止まらなかった。

フレッド…。リーマス…トンクス……。

ジニーも泣いていた。ジニーはまるで、11歳の、秘密の部屋に閉じ込められたばかりの女の子のようだった。

『死とは長い一日の終わりに眠りにつくようなものだ。結局、きちんと整理された心を持つ者にとっては、死は次の大いなる冒険に過ぎないのじゃ』

ダンブルドアの言葉が思い起こされる。それは果たして本当にそうであっただろうか?しかし、ハリーにはそれを確かめる術が無い。

眠りのようなものであろうと、死は悲しい。特に、それを予期していなかった場合。

でも、ハリーは、この悲しみを1人で背負って行く必要はないのだ。

これからの人生は、生き残った男の子としてではなく、残された者のうちの1人として送って行けるはずだ。

みんなを失った悲しみはこれからも時々蘇るだろう。

しかし、みんなの人生はそれだけではなかったのだ。

フレッドは若くして夢を叶え、大成功した。

リーマスとトンクスは不可能だと思われた結婚をし、子供まで授かった。

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