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19年後~Harry potter~

第3章 ホグワーツの戦い


ある日の午後のことだった。

ハリーが果樹園を散歩しようと外に出ると、ジニーが追いかけてきた。

しばらくジニーはハリーの隣に並んで何も言わず歩いた。

10分ほど歩いて、2人はどちらともなく木下の日陰に腰を下ろした。

「学校が始まったら、また会えなくなるわね」

ジニーがそっと言った。ジニーは今度、7年生になる。よく考えるとハーマイオニーと同学年だ。

「私、戻りたくないわ」

ハリーはジニーを見た。ジニーの声が震えているような気がしたからだ。

ジニーの、燃えるような瞳は悲しげだった。

ジニーはフレッドの葬儀の時も、泣かなかった。唇をぎゅっと結んで、母親の背中を撫でていた。

そういう、めそめそしないところところはジニーの魅力の1つでもある。でも、ハリーはジニーがあの日からずっと、夜中自分の部屋で泣いていることを知っていたし、時には弱さを見せてもいいのにと思っていた。

戻りたくない理由をなんだか聞きたくなくて、ハリーは黙ったままでいた。

黙ったままでいるのが耐えられなくて、間を埋めるようにキスをした。

思えば最後のキスは去年の夏だった。ジニーの唇の感触で、ジニーがそこに確かに存在していることを感じた。

1年ぶりにキスをしたらなんだか泣きたくなった。耐えてきたものが溢れそうだった。

目を細めて耐えていると、またジニーが言った。

「戻れないわ。あなたがそんな顔をしているのに」

ハリーはジニーを見つめた。

何を言っているのかわからなかったのだ。そして、ハリーは、ジニーがついに泣いてしまうのではないかと思った。大きな鳶色の瞳が涙に濡れているように見えた。

「あなたのせいじゃないわ。」
ジニーは顔を歪め、絞り出すように言った。

「あなたのせいじゃないわ。

みんな戦いたくて戦ったのよ。

平和のために、家族のために、友達のために…。

あなただってそうだったでしょう?」

ハリーは恋人を見つめた。ジニーはとても美人だ。

ジニーは続けた。

「みんな、命を懸けたのよ。あなたと、同じだったのよ…。」


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