第3章 ホグワーツの戦い
ジニーは通り過ぎていくジョージを振り返って見て、その頰に涙の跡が幾筋も付いているのを見た。
今までの人生でジョージがジニーにかけた言葉の中で1番真剣な言葉を、ジニーは受け止めた。
ジニーはハリーを、ジョージはフレッドを、2人は世界で1番大切な人を失った。
しかし、ジョージは戦っている。フレッドのために、戦っている。
ジニーの脳裏にトンクスとリーマスの亡骸が浮かんだ。
そして、ハリーの事。あの唇の感触。ヴォルデモートからジニーを守るために別れを告げた時の顔。ヴォルデモートに立ち向かうことを決めた時のあの眼差し。
「そんなあなたが大好きなのよ」私はそう言ったんだった。
なのに私は何をやっているんだろう。みんな戦ってるのに。
ハリーが命に代えても達成したかったことを代わりにやるのよ!
戦わなきゃ。戻って、敵を打つんだ。
ジニーはジョージのあとを走った。
ヴォルデモートの姿を見つけた。
ヴォルデモートはマグゴナガル、キングズリー、スラグホーンの3人と闘っていた。
ジニーはヴォルデモートの元に走った…。
「アバダケタブラ!」
ハーマイオニー、ルーナとベラトリックスが戦っている。
ルーナは間一髪呪いを交わした。
ベラトリックスに行く手を阻まれる。
「エクスペリアームス!」
ジニーは叫ぶ。
「可哀想なボーイフレンドの真似かい?嬢ちゃん。もしかして、彼に教わったのかい?」ベラトリックスは呪文を弾いて言った。
ジニーは叫ぶ。
「ステュービファイ!」
ベラトリックスは笑った。
「まだわからないのかい?バカな小娘め」
「インペディメンタ!」
ベラトリックスがよろめいた。
「まだわかっていないようだね!」
ベラトリックスがジニーに杖を向ける。
「アバダケタブラ!」
緑の光線を、ジニーは危ないところで避けた。
やり返そうと杖を構えると、横に突き飛ばされた。
何事かと見ると、ママがベラトリックスに杖を向けている。
「私の娘に何をする!下がって!」ママが叫んだ。
ジニーは壁まで下がった。
何百という生徒がジニーと同じように、ママとベラトリックス、マグゴナガルたち3人とヴォルデモート、2組の戦いを見守っていた。
永遠にも感じられる時が経って、ベラトリックスの胸にママの呪いが当たった。