第3章 ホグワーツの戦い
Ginny side
10月の肌寒い夜、ジニーはリリーを寝かしつけた後1人で食卓に座ってコーヒーを飲んでいた。
日刊預言者新聞のスポーツ面の記事を在宅で書いているジニーは、自身の出身のチームでもあるホリヘッド・ハーピーズについての原稿を書いているところだったが実際はここ数時間、ほとんど進んでいなかった。
ちらりと時計を見ると夜中の1時。
ハリーはまだ帰っていなかった。
大丈夫、ハリーは闇祓い局長になってからとっても忙しいんだから。ジニーは自分に言い聞かせた。
しかし、こうして1人、誰もいない部屋でハリーを待っていると、あの悪夢のような数十分を思い出して無性に怖くなることが今でもある。
あの、16歳の5月2日の真夜中___。
あの時、ジニーは、自分がどんなにハリーを愛しているか知ったのだった。
あの、ハリーは死んだと誰もが思った、あの数十分……。