第11章 心の余興曲
新学期早々あった実力テストは、あの真田と柳と柳生を差し置いてトップだったもんなぁ…苦手な事ってあるのか?
「弱点が見当たらないきに」
「だよなー」
「ですよねー」
※※※
そして来たる日曜日。県大会、都大会共に準決勝と決勝が行われる日。快晴で運動するには絶好な日和。
「見ろよ。立海が女子連れてる」
「ちっさ!小学生か?」
「制服着てるから中学生だろ」
「あの輪の中に居るって事は見かけによらず男をはべらせてんじゃね?」
「可愛いし後で声掛けてみようぜ」
-ざわざわ-
聞こえてるんですけど。小さいのは母親似だから仕方ないでしょ。失礼な事散々言ってくれちゃってヤな感じ。
-キッ-
「あ、こっち見た!」
「気ぃ強そー」
はぁ…相手にするのが疲れるわ。
-ずいっ-
一同「ひっ!?」
『?』
「「我部の優秀なマネージャーに何か用か?」」
『真田君!?柳君!?』
「アレだろ?どーせ羨ましいんだろぃ?」
「だな」
「輩の嫉妬は醜いのぅ」
「そうですね、淑女の扱いがなってません」
「アンタ等…潰すよ?」
ちょっと待ってちょっと待って。この人達こんなに血の気多かったの!?いや、庇ってくれるのは全然嬉しいんだけど…てっきり冷静な人達の集まりかと思ってたけど意外と熱い人達なのね。
『ふふっ』
一同「!?」
『ごめん何でもない。有難う、皆』
一同(その笑顔反則だからぁぁぁああ!!!)
※※※
「外に出て大丈夫なのか?幸村」
「あぁ、今日は体調がいいんだ」
「そうか」
県大会が終わって皆で幸村君に報告しに行こうってなって病院へ行ったら病室に姿は無くて。皆凄く焦ってたけど携帯に連絡を入れてみれば屋上に居る、との事で。
屋上に行けばベンチに座って本を読む幸村君が居た。その姿を見た皆は安堵の溜息を吐いて…皆、幸村君の事が好きなんだなぁって思った。
病院の屋上なんて初めて来たけど結構広いんだなぁ…あっちで遊んでる子供達はこの病院に入院してる子だろうか。
「すまないな。部長の俺抜きで関東大会を戦わせる事になって」
「気にするな幸村。まずは病気を治す事だけに専念しろ」
「安心して下さい!幸村部長がいなくても立海の三連覇に死角は無いっす!」