第10章 叱咤の対舞曲
突進してきた親友を受け止めて1ヶ月ぶりの再会を喜び合う。
『あーちゃんとしんちゃんも一緒だぁ!やーん!相変わらず可愛いー!』
「みゃーだ!」
「みゃーげんき?」
『うんうん、元気元気!おーよしよし!』
「「きゃー」」
実亞加が何故みゃーと呼ばれてるのかと言うと。いつも猫の真似をして下の子達と遊んでくれるからである。まぁ確かに見た目も猫っぽいんだけど。
「何や姫さん私服かいな」
『流石に他県の制服では来れないわ』
「そうだな。偵察だと思われるからな」
『いや、偵察だけど?』
『「「…えっ!?」」』
意味が分からないって顔をする実亞加と跡部と忍足君。そう言えば言ってなかったっけ。
『2週間くらい前から立海のテニス部のマネージャーしてるんだよね』
『「「はぁあああっ!?」」』
そんなに驚かなくてもいいのに。
※※※
智桜姫が…マネージャー?あの立海の?変人ばかりの立海大附属テニス部のマネージャー?いや、待って。有り得ない。
『意味が分かりません』
『忙しくて言うの忘れてた』
「いや、忘れてたちゃうで!?俺等が勧誘した時はフル無視やったやん!?」
『あの時はアタシもちゃんと部活してたしマネージャー二人も要らないでしょ』
「問題はそこじゃねえ」
『始めは拒否したんだけど…なーんか幸村君のお願いは断れなくて』
『「「幸村!?」」』
え、あの腹黒大魔王?そもそもハッキリしてる智桜姫が断れないなんて、あの大魔王は一体どんな手段を使って智桜姫をマネージャーにしたのよ。ズルい。ズル過ぎる。
『脅された!?弱み握られた!?』
『………?幸村君はそんな人じゃないよ』
『だってあの腹gむぐっ!?』
腹黒大魔王だよ、と言おうとしたら跡部に口をおさえられる。
「幸村は元気か?」
『うん。まぁ…見る限りでは』
「そうか」
聞けば去年の秋から顔は知ってたみたいで絡みがあったのは冬。そこから立海に転校してクラスも同じでマネージャーにもなって………それって運命じゃん。ってゆーか去年から絡みがあったとか聞いてない。
いや、待って。そもそも智桜姫、部活なんかして大丈夫なのかな?