イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第8章 消せない熱 続編 第二幕〈徳川家康〉
「部屋の外をうろちょろしなければ、家臣に見られる事もないだろ。……それとも何?うろちょろしたいの?」
「いえ。……では、お言葉に甘えさせて頂きます。家康さんの部屋に、家康さんの許可を貰って堂々と居られるなんて、夢みたいだ」
「…………」
どこか興奮しているような佐助に、家康は少しだけ部屋に居るように言った事を後悔した。
けれど、すぐに思い直す。
(天井裏から、の寝顔や起き抜けの顔をこいつに見られるより遥かにマシだ。……今はこれでいいんだ)
だが、その後に家康は知ることになる。佐助が安土城の天井裏で、の事を既に色々見ていたという事を。
まぁ、それはもう少し先の事。
家康は佐助にお茶を淹れた後、の様子を見に行くと言って部屋を出た。廊下に出てみると、もう辺りは少しずつ明るくなっていたが、ふと空を見上げる。
「何だ……?妙な天気だな」
空は黒っぽい雲に覆われていた。
家康はざわつく胸を押さえながら、の元へと急ぐ。
思い出される佐助の言葉。
嫌な予感がした。