イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第8章 消せない熱 続編 第二幕〈徳川家康〉
信じたくない運命を突き付けられ、その心に拡がる焦燥と不安。
色濃く染まる闇の中で、家康はギュッと拳を握り締める。
そして、目の前に居る忍びに、改めて己の決意を示す。例え運命がどう転ぶとしても、行き着く答えは変わらないのだから――……
「相手が神であろうと、は連れて行かせない。……俺が絶対に守り抜く」
決然たる意志に、武将としての勇猛さや器を目の当たりにして、その忍び――佐助は、ゴクリと喉を鳴らした。
(まるで大河ドラマでも見ている気分だ。……流石は徳川家康公。さん、君は凄い人と恋人になったんだね)
そう思った途端、胸の奥がチクリと痛んだ。佐助は一瞬だけ目を見開くが、すぐにいつもの無表情に戻り、再び家康を正面から見据える。
「家康さんの意志は分かりました。……何にしても、さんが起きるまで待たせて貰います。しばらく天井裏に居させて下さい」
「ダメ」
「え?」
「お前みたいな奴が天井裏に居るなんて気分が悪い。……ここは俺の御殿だ。俺の部屋に居ればいいよ」
「それは……俺には凄く有り難い申し出ですが、いいんですか?」