イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第7章 消せない熱 続編 第一幕〈徳川家康〉
自分の部屋の前まで来て、家康は一瞬ピクリと何かに反応する。
誰も居ない筈の部屋から、気配を感じたからだ。
しかしそれでも、家康は躊躇う事なく襖を開き、部屋の中へと足を踏み入れた。
……差し込む月明かりの下、忍装束の男が立っている。家康がその男を見据えると、男は「勝手にお邪魔してすみません、徳川家康公」と言って軽く頭を下げた。
家康が後ろ手に襖を閉めながら、「あんたが、の友達の佐助だね」と静かに口を開くと、その男――佐助が、目を見開き、足早に近付いて来た。
突然の事に、家康はやや後退りして警戒するが、両手を強くガシッと握られる。
「ちょっ……何?」
「家康さんに俺の名前を覚えてもらえてるなんて、感激の極みです。是非握手して下さい」
「……握手して下さいって、もう握ってるよね?」
「はっ!すみません、つい興奮してしまって……失礼しました」
「もだけど、あんたも大概変わってるね。五百年後の世は変わり者だらけなの?」
「!……やはり、さんから全部聞いたんですね」
「ああ」