イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第6章 消せない熱 後編〈徳川家康〉
家康の様子に、襦袢を羽織り直しながら、もそっと身体を起こす。
「家康……?やっぱり、びっくりしたよね。こんな話……」
「……びっくりも、したけど。そうじゃなくて。……帰るの?」
「…………」
家康の質問に、何も答えられずにいると……
突然、腰をぐいっと引き寄せられた。驚いて顔を上げ、家康を見つめると、真剣で切なさの混じった表情にドキリと胸が高鳴る。
「には悪いけど……帰さないから」
「……え……?」
「ごめん。……どれだけ謝っても足りないかもしれない。俺はあんたに、故郷を、家族を、全てを捨てろって言ってるんだから」
「家康?」
「でも……俺は、あんたが……が欲しい。好きになって、ごめん。だけど、の事は、この先ずっと俺が守っていく」
「……っ」
「この先ずっと、俺の隣に居てよ。の事、守って、幸せにして、愛していきたいんだ。だけを、愛したいんだ。」
いつの間にか、の頬には涙が伝っていた。それは悲しみや絶望ではなく、嬉しくて堪らない、幸福の涙だった。
家康はその涙を指先で優しく拭いながら、目尻にチュッと口付けを落とす。