イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第6章 消せない熱 後編〈徳川家康〉
「違っ……そう、じゃない……!私……」
「?」
「無理なんです……家康さんを、呼び捨てにするのは……」
「……何で?理由は?」
「……家康さんを呼び捨てにしてしまったら、もう引き返せなくなる……そんな気が、して……」
「引き返せなくなる?……何ソレ、どういう意味?」
「……っ!」
―――そこで気付いてしまった。
きっと本当は、気付いちゃいけなかった。
だって、気付いてしまったら……
もう帰れない。
は自分でも気付かない内に、蓋をしていたのだ。
熱っぽい瞳で見つめてくる家康に、恋をしていた自分に。
本当はずっと、も家康を、熱っぽい瞳で見つめていた事に―――……
の中の何かがプツリと切れて、いつの間にか涙が溢れていた。
そんなの様子に、家康は目を見開く。
「なに……どうしたの?……そんなに、恐かった?」
「違う……違うの。私……」
「……?」
「家康さんが……好きなの……」
「……っ」
突然の告白に、家康の顔がみるみる真っ赤になった。
眉根を寄せ、少しだけ苦しそうな表情をしつつ、視線を逸らす。