イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第5章 消せない熱 前編〈徳川家康〉
「……これも、意地悪、ですか?」
「さぁ?……ほら、早く口開けて」
「…… はい……」
が顔を更に赤く染めながら、小さく口を開く。
家康の持っている匙が、口元に運ばれて、乗っていた団子をがそっと口に含む。
の一連の仕草に、家康はどうしようもなく心臓が高鳴っていた。
が答えないから、つい意地悪してしまったけれど―――……
(馬鹿みたいに可愛いなんて……こんなの、反則過ぎる)
が団子を食べたのを確認して、「美味しい?」と訊いてみると、何故だか声が掠れてしまった。
「……美味しいけど…少し、しょっぱいです。すすりだんごって、甘くないんですね」
「信長様の計らいで甘い菓子は増えたけど、砂糖は貴重だからね。すすりだんごも、甘い菓子だと思った?」
「はい。…でも、小豆がほんのり甘いから、お団子に塩気があっても美味しいです」
「そう。……良かったね」
「あ、あの……」
「何?」
「まだ、意地悪続行なんですか?」
家康はしれっと二口目を口元へ運んでいた。ドキドキと胸を高鳴らせつつも、家康は何か諦めたかのように、ふっと笑って口火を切る。