イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第5章 消せない熱 前編〈徳川家康〉
「……どうかした?」
「い、いえ……何でも……」
「何?……はっきり言いなよ」
「……家康さんが……」
「俺が?」
「家康さんが……急に、笑うから……その……」
「……っ」
不意に見せた、家康の笑顔。
によって引き出されたものなのだが、そうとは知らずに、優しく笑った家康を見て、何故だか胸がきゅうっと苦しくなった。
家康は家康で、せっかく治まっていた顔の火照りが蘇る。
「……俺だって、笑うことくらいある。俺が笑ったら、何かおかしいわけ?」
「ご、ごめんなさい!おかしくはないんですけど……」
「……おかしくはないけど、何?」
「…っ!あ、注文してたの来ましたよ!食べましょ……」
が誤魔化しながら、すすりだんごの器を取ろうとすると、家康がひょいっと持っていってしまった。
そして、ついていた匙で団子を掬い取り、の口元に差し出した。
「家康さん……?」
「……ほら、口開けて。楽しみにしてたんでしょ?」
「そ、そうですけど……どうして……」
「これでさっきの事は無かった事にしてあげる。……俺って笑ってるより、意地悪な方が合ってるんでしょ?」