イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第5章 消せない熱 前編〈徳川家康〉
家康は自身の顔の火照りを感じながら、内心失敗したと思っていた。
(くそっ……完全に油断してた。というか、何だよ意地悪ですねって。可愛い過ぎるだろっ)
そんな家康の葛藤を知らずに、は茶屋へと入っていく。
家康もに続いて中へ入り、2人はお茶と団子を頼んで、空いている席に座った。
家康はチラリとの様子を伺うと、何やら興味津々にお品書きを見ている。
「何か他に気になるものでもあった?」
「はい……この、すすりだんごって何でしょう?」
「ああ、それは小豆の汁の中に団子を入れたやつだよ」
「え!それってお汁粉だよね……この時代にもあったんだ」
「お汁粉?……よく分かんないけど、これも食べてみる?」
「いいんですか?」
「いいよ」
「ありがとうございます!すいませーん!すすりだんごひとつ下さい!」
店の奥から「はーい」と店主の声が聞こえて、は嬉しそうに微笑を溢した。
久しぶりに見る、の嬉しさ全開笑顔に、家康も思わず口元が綻んでしまう。
城下へ連れ出して良かったと、心の底からそう思った。
しかし、すぐにの顔が赤くなってしまって、家康はあれ?と、目を見開く。