イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第36章 あんたが望むなら 後編 <徳川家康>
「あ、の……家康?私、もう大丈夫だから、その……」
「……あんたが大丈夫でも、俺が大丈夫じゃない」
「え?や、やっぱり、どこか怪我したの?!」
「違う。……違くて。俺が、もう少し……を感じてたいから。」
「なに……言って……」
の心臓が、早急に高鳴りだしていく。
さっきまでより、もっとずっと。
(駄目。……こんな気持ち、無くさなきゃって思ってたのに……)
――勘違い、しそうになる。
が涙で潤んだ瞳を泳がせて、どう行動したらいいか迷っていると、家康の声音が風と共に耳へと届く。
それはまるで……
「……あんたが、上杉謙信と居るのを見て、血の気が引いた。あんたを失うかもしれないと思ったら、今までの何よりも恐かった」
「家康……?」
「本当は、もうとっくに分かってた。でも……見ないふりした。」
「なんの話……」
「だけど、もう誤魔化せない。俺は……俺はが……」
「……っ」