イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第35章 あんたが望むなら 前編〈徳川家康〉
瞳も穏やかな家康を目の当たりにして、そこでやっとは現実へと覚醒した。
目をぱちくりさせている間に、家康は水を取りに行ってしまう。
ゆっくりと上体を起こしながら、は「どうしてここに家康さんが……?」と思わず疑問を口にしていた。
家康はすぐに戻って来た。
水と一緒に、盆には金平糖も乗っていて、家康はスッと腰を下ろし、の前へと差し出す。
「……もし食べれるなら、食べれば。あんた、ここ最近食欲も落ちてたでしょ」
「なんで……というか、この金平糖どうしたんですか?」
「秀吉さんが信長様から隠してたやつを、たまたま見つけたから。」
「それ、勝手に貰っちゃ駄目なんじゃ……」
「大丈夫、まだまだ沢山あったし。……別にいらないなら、食べなければいい」
「……」
家康の言葉に、は少し間を置いてから、「いただきます」と言って、甘い金平糖をカリッと食べた。
口の中で、懐かしく優しい甘さがじんわりと広がり、胸がいっぱいで苦しくなる。
「……どうして……」
「?」
「どうして……こんなに、気にかけてくれるんですか?」