イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第35章 あんたが望むなら 前編〈徳川家康〉
「しばらくの元へ通い、貴様が世話をし管理しろ」
「……は?」
「異論は認めん」
「ちょっと待って下さい、何で俺が……」
「別に毎日でなくとも構わん。だが、今日は必ず様子を見てこい」
「……」
「返事は?」
「…………御意」
家康の答えに、信長は口角を上げて「よし。下がれ」と満足そうに言い放った。
………………………
……………
は、戦国時代という乱世へ飛ばされてしまった現代の女。
彼女は、最初はただただぼーっとして過ごしていた。何をするでもなく、ひたすらに縁側から空を眺めていた。
しかし、全く身体を動かさないのも嫌になり、今では自ら世話役の仕事を買って出て、武将達へ文を届けたり、掃除等をしたりと、忙しなく動くようになった。
(タダでお世話になり続けるのは居心地悪いし……沢山働けば、疲れて夜もすぐに眠れるもんね)
廊下の雑巾がけを終わらせて、額にじわりと浮かぶ汗を拭う。
(……着物って暑いな)
そう思いながら立ち上がろうとした瞬間、くらりと視界が揺れた。
「……っ」
――やば……
身体にやってくるであろう衝撃を予想して、ぎゅっと目を瞑るが……