イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第32章 極悪の何でも券 〈謙信Ver〉
もしもから
『何でも券』を貰ったら――……
【極悪の何でも券・謙信Ver】
『何でも券?』
『はい!』
嬉々とした様子でソレを渡してくるに、謙信は眉をひそめた。
『このような券、まさか他の者共にも渡しているのか?』
『え?何でも券は、今謙信様にお渡ししたのが初めてですけど……どうしてですか?』
『昨日、信玄が似たようなものを持っていた。これ見よがしに見せつけてくる故、何かと訊いてみれば「秘密」だと言われてな』
『……』
『やはり信玄にも渡したのか?』
『いえ……信玄様に渡したのは「肩たたき券」です』
『肩たたき?』
『はい。最近お仕事で文を沢山書いたせいか、肩が痛いと仰っていたので……』
『ほう。……信玄が肩を痛めたからと言って、何故お前がそのような事をする必要がある?』
『え?』
『お前の全ては俺のものだろう。相手が誰であっても、お前が何かしてやる必要はない。信玄など、尚更相手にするな。』
『で、でも……』
が困り顔で言葉を返そうとすると、謙信にグイッと身体を引き寄せられ、そのまま逞しい腕の中に閉じ込められた。
『……分かっているだろう?俺を妬かせてくれるな。今はもう、愛しいお前を牢に閉じ込めておく事は出来ないのだから。』
『謙信様……』