イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第31章 極悪の何でも券 〈佐助Ver〉
佐助の言っている事が全く理解できず、は小首を傾げた。
けれど、そんな仕草ひとつひとつに、佐助は何度も何度も胸を甘く射抜かれてしまい、貰ったばかりの何でも券をギュッと握り締める。
『……君と居ると、俺の心拍数は馬鹿みたいに上昇する。』
『心拍数……?』
『心拍数だけじゃない。血圧も上がっている。原因はアドレナリンが交感神経に分泌され過ぎているせいだ。』
『待って、私と居るとってどういう――……』
『さんと一緒に居るだけで、俺はその状態になる。だから、この券はとても貰えない。』
『……っ』
まるで壊れもののように、佐助はそっとの手を取って、手の平に券を持たせた。
すると、の顔がみるみる赤く染まっていく。
触れたところから甘い熱が拡がって、互いの気持ちが伝わってしまうかのような錯覚に陥りそうになる。
『私、も……』
『さん?』
『私も心拍数……凄い、かも。』
その言葉に、いつも無表情な佐助の口元が、僅かに緩んだ。
嬉しそうにも、苦しそうにも見えるその表情に、目にしたは釘付けになる。
『……君はずるいな。その券、返すと言ったけど――』
『!』
『やっぱり、受け取っておく。……煽ったのはさんだ。覚悟しておいて』
そう囁いてから
佐助は券をするりと抜き取り、そのままの指先へ――
触れるだけのキスをした。
終わり☆