イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第25章 極悪の何でも券 〈信長Ver〉
もしもから
『何でも券』を貰ったら――……
【極悪の何でも券・信長Ver】
『信長様!』
そう呼ばれて、安土城の主にして織田軍を率いている武将、織田信長が振り返った。
『どうした、。何か用か』
『あの……この間は助けて下さってありがとうございました。これ、役に立たないかもしれませんが、お礼です』
『礼だと?』
『な、何でも券です。最初は肩たたき券にしようと思ったんですけど、雑用とかも気軽に頼んで貰えたらと思って……』
『ほう。貴様自らその身を差し出してくるとは、なかなかに良い心懸けだな。褒めてやる』
『なっ……!べ、別に身を差し出す訳じゃありませんから!』
『だがコレは、何でも券、なのだろう?』
『そう、ですけど……』
『ちょうど良い。今からコレを――……』
――今からコレを使ってやる。
そう言おうとして、信長は口を噤んだ。
がキョトンとした顔で小首を傾げる。
『信長様?』
『……いや、何でもない。コレは今度使うとしよう。下がっていいぞ」
『はい!身を差し出すのは無理ですけど、何でも言って下さいね』
『ああ』
笑顔で去っていくの後ろ姿を見送って、信長は何でも券を大事そうに懐へ仕舞った。
(……すぐに使っては、勿体無いからな)
いつもは冷たいその瞳に
優しい熱が、温かく灯った。
終わり☆