イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第24章 極悪の何でも券 〈三成Ver〉
もしもから
『何でも券』を貰ったら――……
【極悪の何でも券・三成Ver】
『え?これを私に、ですか?』
三成がそう言うと、手作りの何でも券を差し出しながら、が笑顔でコクリと頷いた。
『うん!肩たたきでも雑用でも、何でもするからね!』
『そのような事、様にお願いするのは恐れ多いのですが……』
『そんな事ないよ!三成くんには、いつも私の方が助けられてるし。役に立てるか分からないけど、使ってくれたら嬉しいから!』
『そうですか。様がそう仰って下さるのなら、今度使わせていただきますね』
『うん!いつでも待ってるからね!』
『はい、ありがとうございます』
そう言ってと別れた後、三成はにこにこしながら自室へと戻った。
そして、読もうと思って机の上に置いておいた、新しい戦術書へ目を向ける。
『今日は良いことづくめですね。様からの何でも券に、新しい戦術書。早速読んでみましょう』
机の前に腰を下ろし、嬉々として真新しい戦術書を開いてみる。
が――……
『あれ?……おかしいな。全然頭に入ってこない……』
それどころか、ソワソワ、フワフワと、どこか気持ちが落ち着かず、気になるのは別のもの。
新しい戦術書より、自分の懐に仕舞ってある、大事なもの。
『……様から戴いたコレが、気になって仕方がない?……そういえば先程、何でもすると仰っていましたが……』
懐から取り出して券を見つめると、今度はキュウッと少しだけ胸が苦しくなった。
三成は首を傾げた後、に何を頼むか、不意に考え始める。
それは三成にとって、驚きや衝撃ばかりで、どんな複雑な戦術書よりも、気持ちを大きく動かされた。
『……何でも、とは……本当に何でも、でしょうか。私は、凄いものを戴いてしまったのかもしれません。……様……』
――今すぐ貴女に、触れたい。
そうして三成は
全く頭に入ってこない戦術書を閉じて、立ち上がった。
扱い切れない、狂おしい程の、甘い胸の痛みを抱えながら――……
終わり☆