イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第22章 譲れない想い〈家康END〉
「家康……?」
「水、飲ませて」
「え?」
「あんたの口で」
「……っ」
家康の言っている意味を理解して、その瞬間には耳まで真っ赤になった。それは暗がりでも分かる程で、家康は鼓動を高鳴らせる。
顔を赤らめ、困ったような、戸惑うその顔に……
家康は初めて、政宗の言っていた事に共感を覚えた。
「ああ、確かに――……」
――口付けしたくなる。
家康はの手に、自分の大きな手を重ね、持っていた水を口に含むと、に口付けていた。
そのまま、少し開いていた口の中へ、水を流し込む。
の躰がビクリと揺れるが、腰を抱く手に力を籠めて、口付けを深くした。
がコクリと水を飲んだのを確認して、唇を離し、また水を口に含んで口移しをする。
家康は湯飲みの中の水が底をつくまで、口端から僅かに水が溢れるのも構わず、それを繰り返した。
「ん……ふ……」
時折漏れる、の甘い吐息に、家康は頭の芯が溶けていくように感じていた。
口付けを繰り返す度に、涙でその瞳を滲ませて。
一応は抵抗しているつもりなのか、家康の胸を押そうとしてくるが、力の抜けてしまっている躰では無意味だった。