イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第22章 譲れない想い〈家康END〉
――その後。
用事を終え、宴に戻った秀吉に担がれ、寝入ってしまった政宗は別室へ連れていかれた。
宴は続いていたが、もう広間に家康との姿は無かった。
が酔っている事を理由に、家康が連れ出したのだ。
手を引かれるまま、水を飲む為に台所へと向かう。
「家康、あの……手を繋いでなくても歩けるから」
「いいから。どちらかと言うと、俺も酔ってるし」
「そうなの?」
「うん」
「……あの」
「今度は何?」
「さっき、ありがとう。また、助けてくれたんだよね?私が戸惑ってたから……」
「……二回目は口を開けようとしてたけどね」
「だ、だってそれは……」
そこまで話して、目的地の台所へと辿り着いた。カラッと戸を開けて、二人は中へと足を踏み入れる。
家康が「悪いけど、俺の分の水も用意してもらっていい?」と言うと、は「うん!」と快く引き受けてくれた。
その間に、家康が後ろ手に戸を閉める。
暗がりの中、頼れる明かりは僅かに差し込む月明りだけ。
が何とか水を用意し終えて、家康の傍へ行くと、グッと腰を引き寄せられた。
湯飲みに入った水が、ちゃぷんと音を立てて少しだけ溢れる。