イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第20章 譲れない想い〈政宗vs家康〉
――その夜。
宴が開かれる事になった。
理由はよく知らないが、日々の労いを込めてのものらしい。
広間に並ぶ豪華な料理と沢山のお酒を前にして、は少し気持ちが浮き足立っていた。
謎の攻防が繰り広げられるまでは――……
「おい、家康。何のつもりだ?俺はに食わそうとしたんだが?」
「別に。俺は味見をしただけです」
二人の険悪さに、間に挟まれているは、もはや宴を呑気に楽しめる感じではなかった。
宴が始まってすぐに、の左隣へ政宗が、右隣には家康が腰を下ろした訳だが……
政宗は自分の作った煮物を食べさせようと、に、俗に言う「あーん」を要求したのだ。
だが、それを家康が体を張って制した。ズイッと身を乗り出し、躊躇っていたの代わりに煮物をぱくりと食べてしまったのだ。
「美味しいけど、次からはもっと辛くして下さい」
「それはお前の好みだろ。……昼もそうだったが、俺の邪魔はしないで貰おうか」
「邪魔なんてしてません。俺は差し出された煮物を食べただけです」
視線を逸らし、ぱくぱく料理を食べる家康に、政宗は若干の苛立ちを感じながらも、溜め息をついて、次の料理を皿に取った。
そして、懲りずにもう一度、へと差し出す。