イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第20章 譲れない想い〈政宗vs家康〉
いつもと変わらないようでいて、どことなく二人の様子がおかしい気がする。
いずれ居なくなる自分が気にしても、仕方のない事かもしれないけれど。
はそんな事を思いつつ、自室へと入って行った。
………………
…………
―――胸騒ぎがする。
政宗と同じように、家康も感じ取っていた。
が何処かへ消えてしまいそうな、そんな感覚を。
(別にが何処へ行こうが、俺には関係ない。政宗さんとくっついたって、それだってどうでもいい。...どうでもいい、筈なのに)
知らず知らず、目で追ってしまう。
時折見せる、消え入りそうな彼女の表情に、胸がチクリと痛む。
己の御殿へと向かいながら、家康は苦々しげに眉根を寄せて、誰にも聞こえないような声で呟いた。
「の事ばっかり気になるなんて……こんなの、何かの間違いだ……っ」
悲痛とも取れる声。
家康は拳を強く握り締め、唇を噛んだ。