イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第20章 譲れない想い〈政宗vs家康〉
「あの、家康」
「……何?」
振り返らず、背を向けたままの家康に、は遠慮がちに声をかける。
「さっきは……助けてくれて、ありがとう」
お礼の言葉。
しかし、家康はその言葉を素直に受け取れなかった。
苛立ったままの冷たい声で、口火を切る。
「……本当に?」
「え?」
「本当は、助けなんて要らなかったんじゃないの?」
「……どういうこと?」
「……っ、何でもない。今の、忘れて」
「待って!どうして、こっちを見てくれないの?」
「別に。……急ぐから、もう行く。じゃあね」
「あっ…」
そう言って去って行く時、一瞬だけ見えた家康の横顔は、少し赤く染まっているように見えた。
は訳が分からないまま、微かに首を傾げる。
戦国時代へタイムスリップしてから約2ヶ月の時が経っていた。
そうして、同じ現代人仲間の佐助から、あと数日で元の世界へと帰れるワームホールが出現すると、この時、は既に教えて貰っていた。
(政宗は急に迫ってくるし、家康は何か怒ってるみたいだったし...どうしたんだろう?)