イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第20章 譲れない想い〈政宗vs家康〉
「簡単さ。難しく考えるな。……俺はいつだって、したいと思った時にする」
「恋仲でも、ないのに……?」
「……良いな。困ってる顔もそそる。ますます口付けしたくなってきた」
「政宗……!いい加減に……っ」
か弱いの抵抗。
無理矢理押さえ付ければ、すぐにでも唇を奪える。
なのに、政宗はそれをせず、今の状況を愉しんでいた。
頬を染め、困り顔で必死に抵抗するが、あまりにも愛らしくてーー…
しかし、それが裏目に出た。
だんだんと近付いてくる足音に気付いて、政宗は胸の内で舌打ちをする。
「こんな所で、一体何をしてるんですか?政宗さん」
台所の戸が開かれると同時に、低く苛立った、冷ややかな声が響いた。
政宗と同じく、織田軍と同盟を結んでいる武将、徳川家康だ。
「家康か。何をって、見れば分かるだろ?に口付けしようとしてる」
政宗の言葉を聞いて、家康は溜め息を零した後、二人の間に割って入り、ベリッと引き剥がした。
「……をからかって遊ぶのは、いい加減止めたらどうですか。」
「確かに俺は愉しんではいるが、遊んでいるつもりはない。人の恋路を邪魔するなんて無粋だぞ、家康」