イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第18章 恋情に贈り物〈石田三成〉
(……触れたいと、そう思ってしまう。……様の全てを、知りたい……っ)
そこまで考えて、三成は思考を停止させた。これ以上、の事を考えていたら、どうにかなってしまいそうだと思った。
徐に手を伸ばし、近くに置いていた綺麗な手拭いを取って、己の蜜を拭う。
そして、熱くてガチガチな欲望を、無理矢理にでもしまい込んだ。
だが、しかし――……
その直後に、部屋の外から声をかけられた。
まさかと思う人物の声に、三成の鼓動が、早鐘のように鳴り続ける。
(そんな……何故、貴女が此処に……)
三成が困惑し、何も答えられずにいると、「三成くん?」と再び声をかけられた。
部屋の外に居るのは、未だに三成の躰を熱く焦がし続ける原因、だった。
……どのみち、今は逢えない。
今の自分は、何をしでかすか分からない。
(このまま寝ていると思わせて、帰っていただく他ない……!)
だが、三成の思惑通りにはいかなかった。そうしてそれは、普段の行いのせいでもある。
三成は読書に没頭していると、誰の言葉も耳に入らない。それに、燭台の明かりはついたままだ。