イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第18章 恋情に贈り物〈石田三成〉
―――秋の、ある晩の事。
燭台の明かりだけが、ユラユラと室内に揺らめく中、石田三成は己の熱にほとほと困り果てていた。
(……普段、一人でする事なんてほとんど無いのに……)
浅い呼吸を繰り返しつつ、どうしようもない程に欲情してしまっている己のソレを慰めて、三成は苦しげに眉根を寄せる。
「……もう、さっき達したばかりなのに……どうして……っ」
そう疑問に思うが、すぐに先刻の出来事を思い出し、再び躰の熱が昂っていく。
……先刻。
三成が所用を終わらせて御殿の廊下を歩いていると、ある人物とばったり出会した。
織田信長に三成の世話を焼くよう任されている、だ。
は湯浴みを済ませた直後だったようで、濡れた髪と、ほんのり赤く染まった頬に、三成は釘付けになった。
(会話の内容も覚えてないなんて……今宵の私は、どうかしている)
確かに何かを話したと思うのだが、全く思い出せない。すれ違いざまに感じた、の匂いや、柔らかそうな肌の白さは思い出せるのに……