イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第16章 熱情 後編〈石田三成〉
家康の言葉と気付け薬をしっかりと受け取って、三成は奪還の為に走り出した。
三成の言葉に、隊の兵達も「三成様に続け!決して隊列を乱すな!」と声をあげて馬を操り走っていく。
その様子を見送って、家康も自分の指揮する隊へと向かった。その胸に熱く込み上げてくる怒りと、三成にも負けぬ殺気を迸らせて。
………………
…………
――賊の根城である廃寺。
は自分に宛がわれた部屋で、敷きっぱなしの布団に包まっていた。
数刻前。
トキジに散々唇を奪われて、首筋に痕までつけられてしまったからだ。
(……昨日も口付けられたけど……私の考えが甘いから、意地悪してるだけだと思ってた。……どうして?ただの戯れ?トキジさんの事、嫌いじゃないけど……触れられたくない)
―――三成くんじゃないと、ダメだから。
こんな葛藤も、抵抗も、どれも力の前では無意味だ。やはり男と女。向こうがその気になってしまったら、は抗いきれずに奪われてしまう。
そんな無力な自分に、は自然と目頭が熱くなり、泣くまいと唇を噛み締める。
すると、部屋の外から話し声が聞こえてきた。