イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第15章 熱情 中編〈石田三成〉
「そっちじゃねーって。もっと男と女がする艶っぽい方だよ。……まだ痛ぇんだな、腹。本当に悪かったって」
「……っ」
そう言いながら、トキジは洗い上げた着物や手拭いを干していく。はまるで毒気が抜かれてしまったように、トキジへの警戒心が薄れてしまっていた。
(……何なの?どうしてトキジさんが、悪人してるの?全然分からない……)
洗い場の周りには、チラホラと子供の姿もある。どうやらトキジの仲間の子供達らしい。
屈託なく笑い、野菜を洗ったり、追い駆けっこしたりしている。
(……この子達も、賊の一味になってしまうの?……おかしいよ)
は洗濯を終えて、桶や板を元の所へ戻しに向かうと、トキジが「お疲れさん」と言いながら何かを持ってきた。
「ほらよ。頑張ったご褒美に、饅頭くれてやる」
「……だから、おかしいって。何が目的なんですか?」
「饅頭嫌いか?」
「それは…………好き、ですけど……」
そう答えると、トキジが急にの腰に手を回し、顔を近付けてきた。
突然近くなった距離に、は思わず顔を真っ赤に染める。
「今の、いいな。もう一回言えよ」