イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第15章 熱情 中編〈石田三成〉
―――だが、皆は分かっていた。
例え結末は同じであっても、ひとつだけ違うものがある。
救い出された時に、が目にするもの。それが正に地獄絵図とも取れる血に濡れた惨状か、そうでないか。
いくら戦場を見た事があると言っても、目的が最初から皆殺しであれば、は間違いなく傷付くだろう。
その場に居る誰もが、の瞳に映したくないと思った。
……ただただ血で濡れた、真っ赤な景色を。
………………
………
三成や織田軍の武将達が、奪還に動き始めた頃。
は予想外の状況に戸惑っていた。
「……何で私が洗濯を……?」
「何だ、やっぱりお姫さんはお姫さんだな。洗濯した事ねーのかよ」
「洗濯ぐらいしてます!そうじゃなくて!……人質なのに、部屋から出して、おまけに拘束もせずに、おかしくないですか?」
「……え?なに、縛られたいって事?」
「話にならないっ!隙見て逃げちゃっても、文句言わないで下さいね!」
「逃げれると思ってるなんてお笑い草だな。……いいぜ、文句は言わねーよ。その代わり、手は出すけどな」
「なっ!言っておきますけど、まだ殴られたお腹痛いんですからね?」