イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第15章 熱情 中編〈石田三成〉
「三成、少し頭を冷やせ!御館様に口答えするなんて……っ」
そこまで言って、軽く右手を上げた信長が、怒る秀吉を制した。
「よい、秀吉。……三成、何故かと訊いたが、理由は貴様が一番よく分かっているだろう?」
「…………」
「今回の賊は、俺に恨みを抱いている連中だ。……頭を潰せば、確かに手足の動きは止まる。だが、それは一時的にだ。家が潰れた後、尚もその主人に仕えているとすれば……その手足は再び動く。」
「……はい」
「この俺に楯突く者共は、根絶やしにせねばならん。一人たりとも逃すな。……その為にも、頭は生け捕りにしろ。それだけの忠義。頭を生け捕りにすれば、手足は必ずついてくる。」
信長の冷たい瞳が、三成を見据える。そうして、再び口火が切られた時、その口角が上がった。
「……その場で全員を皆殺しに出来るならば、話は別だがな」
「それは……」
「……三成の案で行くなら、少数で奇襲をかける、こちら側が絶対的に不利ですね」と、家康。
「ああ。多少の兵を引き連れたとて、三成だけでは無理だろう」
「御館様?」
「この俺を連れて行くか?政宗に家康も付けるぞ。さすれば一族郎党、 皆殺しにするなど容易い」
「……!」