イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第2章 意地悪な天使 〈石田三成〉
光秀と政宗は声を上げて笑い、秀吉は大きな溜め息をついた。
けれども、その瞳はとても穏やかで、三成は思わず温かな気持ちでいっぱいになった。
(やはり、先程の私はどうかしていた。秀吉様達に、あんな違和感を感じるなんて……)
しかし、その安堵も束の間。
すぐにまた三成は、自分の感情を持て余す事になる。
カタッと襖が開き、自然と音のした方へ視線を向けると………
家康が1人で宴へ戻ってきていた。
僅かに顔を赤く染めて。
三成の心臓が、ズキンと嫌な音を立てる。
三成が何も言えずにいると、家康に気付いた秀吉が「家康、はどうした?」と訊いた。
「……やっぱり、だいぶ飲み過ぎてたんで、部屋まで送ってきました」
「そうか、ご苦労さん。ありがとうな、家康」
「いえ。……というか、何で秀吉さんに礼を言われなくちゃいけないんですか」
「本来なら、俺の役目だろ?は俺にとって、大事な妹みたいなもんだし」
「……別に本当の兄妹じゃないんですから、秀吉さんの役目ではないと思いますけど。……三成?」
「……っ!」
家康と秀吉が話している間に、三成はいつの間にか襖を開けて廊下へ出ようとしていた。
家康に呼び止められて、三成は自分でも驚きつつ、するすると口から嘘を溢した。
「……やはり、皆様が仰るように少し酔ったみたいです。申し訳ありませんが、私もここで失礼しますね」