イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第14章 熱情 前編〈石田三成〉
「らしくねぇお姫さんだな。それに、もっと怯えてるかと思ったが……腹の痛み以外は大丈夫そうだな」
「あ、はい……」
「殴って悪かった。……まだ結構痛いだろ?ゆっくり休め」
「…………」
は違和感を覚えた。
どう考えても、この青年は悪人じゃない。そう思えた。
は小さく喉を鳴らし、思いきって口火を切る。
「あの……何故、こんな事をしたんですか?」
「金の為さ。あんたと引き換えに、金を貰う」
「それは、本当に貴方が考えた事ですか?」
の質問に、賊の頭はふっと口元を緩める。
そして、の隣に腰を下ろした。
「なんだ。もう俺に情が湧いたのか?とんでもなく甘ちゃんだな。そんなんじゃ、マトモに生きていけねーよ?」
「わ、私が甘いのは分かってます!でも……っ」
「へぇ。……なら、少しだけ教えてやる。世の厳しさってやつを」
「え?」
「目ぇ閉じろ。それと……俺の名はトキジだ」
「…っ!?」
唇に、柔らかな感触。
僅かな隙間をこじ開け、トキジの舌がの口内に浸入してくる。
抵抗しようとしても、躰に力が入らず、簡単に舌を絡められてしまう。