イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第12章 消せない熱 続編 第六幕〈徳川家康〉
は必死に手を伸ばして、上へ上へともがいた。
海の底から抜け出そうとするように、深い深い意識の底から浮上していく。
早く早く、家康に逢いたくて。
「だから、ごめん。……その時が来たら、無理矢理にでも連れ帰る。それに……」
「無理矢理なんかじゃないよ」
突然聞こえてきた、自分の言葉に答える声。寝ていると思っていたの瞳がぱちりと開かれて、家康は目を見開いた。
「、起きてたの?」
「今、起きたの。……私の頭の中、全部全部、家康ばっかりだよ」
「……っ」
「家康が私を残して乱世へ帰るって言っても、私は乱世に行く。ずっとずっと、家康と一緒に居たいから……」
「……やっぱり、って馬鹿だね」
「馬鹿でも……いいの」
家康が、ギュッとを抱き締める。その温もりを確かめるように、優しく、力強く。
愛しい人の体温を心地好く感じながら、ただただ素直に、想いを言の葉に乗せて。