イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第11章 消せない熱 続編 第五幕〈徳川家康〉
一方その頃。
家康は不機嫌MAXオーラを身体中から迸らせ、撮影スタッフ達をビビらせていた。
今日のところは、とりあえず話だけを聞いて早目に帰るつもりだった。
それなのに、家康をスカウトした女に引き止められ、思った以上に足止めを食らっていたからだ。
(くそ……こんなに時間掛かるとは思わなかった。早く帰らないと……)
きっとは、もう起きている。
家康は気付いていた。
そして、要らぬ不安や心配をかけてしまっているのではないかと危惧していたのだ。
「……ねぇ、いつになったら終わるの?それと、いい加減返してくれない?俺の鍵」
……実はもっと早い時間に、家康は無理矢理にでも帰ろうと、一度行動に出ていた。
しかし、うっかり落としてしまった家の鍵を「少しの間、預からせて貰うわね♪」と、あの女に取られてしまい、今に至っている。
撮影スタッフ達は曖昧な笑みを浮かべて、「井上さん捜してきますね!」と、慌ててスタジオを出て行った。
の家の鍵。
家康にとっては、から貰った大事な物で、しかもそれを失くすという事は、防犯上とても良くない事だ。