イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第11章 消せない熱 続編 第五幕〈徳川家康〉
茜色の空が夜に飲み込まれ、星が瞬き始めた頃。
家康から与えられた快楽に溺れ、眠りに落ちていたが、ようやく目を覚ました。
まだ重たい瞼を擦りつつ、「家康……?」と愛しい人の名前を呼ぶ。
そして一気に頭が冷えた。
部屋の中を見回し、家康が居ない事に気付いたからだ。
ひやりとしたものが、背筋を伝っていく。
「ウソ……」
ドクンドクンと心臓が痛いくらいに、嫌な音を響かせる。
少し前まで、一緒に居たのに……
消えてしまったのではないかと、最悪のケースを想像してしまい、僅かに身体が震えだす。
だが、不意に自分が渡した合鍵の事を思い出して、悪い考えを振り払うように頭を振った。
ぎゅっと自身の胸を掴み、震える身体を叱咤する。
(……散歩に行っただけかも。少し探してみよう……っ)
ふらりと立ち上がり、はそのまま家を出た。
今にも込み上げてきそうな涙を、唇を噛み、必死に抑えて。