イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第9章 消せない熱 続編 第三幕〈徳川家康〉
―――まるで隠すように、その腕の中に閉じ込め続けた。
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…………
電車から降りた後。
二人は黙々と歩を進め、いつの間にかのアパートへと辿り着いていた。
「ここ……?」
「うん。多分中に入ったら、狭くてびっくりするかも」
「……の親も、此処に居るの?」
「ううん、ここには私一人だけ」
「一人?」
「五百年後の世では、女でも一人で稼いで、一人で家に住めるんだ。びっくりした?」
「…うん。驚いたし、凄いけど……一人で住んでるなんて、危なくないの?そこまで平和なの?」
家康の質問を聞きつつ、は慣れた手つきで鍵を差し込み、重たい扉を開ける。
そのままササッと靴を脱いで、暗い玄関で電気のスイッチを押した。
「……確かに、危ない事が全く無い訳じゃないけど。これが普通だから」
「ふうん。普通、ね」
ガチャンと内鍵を締めて、狭い家ながら家康を案内しようと振り向くと、急にグイっと腰を引き寄せられた。
そうして、声も出せないまま、家康に唇を塞がれる。
まるで噛みつくように、深く吐息さえも奪われて、はくらりと目眩を感じた。