イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第9章 消せない熱 続編 第三幕〈徳川家康〉
「だいがく?」
「分かった。佐助くん、スマホの番号教えてもらってもいいかな?LINEでもいいんだけど」
「ああ、一応両方交換しておこう。それと、スマホの電池大丈夫?さっき充電器買ってきたんだ」
「流石だね!助かるよ。ええっと……」
「…………」
すまほって何。
だいがくって何。
……でんち?らいん?
全く会話が飲み込めず、一瞬にして蚊帳の外にされてしまった家康は、若干の苛立ちを感じつつ、頬杖をつき、黙って二人から目を逸らした。
そして、まざまざと実感する。
何気無く手元を見てみても、窓の外を見てみても、ここは自分の全く知らない世界なんだという事を。
(…は……乱世に飛ばされて来た時、こんな気持ちだったのかな。いや、むしろ――)
五百年後の日ノ本は、前にから聞いたけど、戦が無いと言っていた。
そんな平和な世界から、右も左も分からない、戦ばかりの世界へ飛ばされて、はどれだけ心細かっただろうか。
(そう言えば……読み書きの練習にって、御伽草子を借りてたな)
テーブルの端に立て掛けてあるメニューには、料理の写真と見易い文字。
家康からすれば、写真ひとつ、文字ひとつひとつに驚いてしまう。
天邪鬼な性格の為か、あまり顔には出さないが――……