第2章 出会いの話
「ふぁぁあ・・・あれ、ここどこ・・・?」
授業中ずっと寝ていながら、まだ眠たいようで欠伸をしながらごしごしと目元を擦り、やっと目覚めた。くるくるとした髪型はくせっ毛なのか、寝癖なのか・・・
「授業中ずっと寝ていたでしょう?ここは数学準備室よ。」
「えぇ・・・俺どうやって来たんだっけ・・・?」
「宍戸くんにお願いしたのよ。授業中、寝ちゃ駄目でしょう?」
覚醒しきっていないぼんやりと俯く彼に声をかけながら、引き出しからプリントを取り出すと、これ、放課後に提出すること。と言って差し出した。
芥川くんはプリントを受け取ると、え~~~っと声を上げそれで顔を隠しながらとても残念がっていたが、寝ていたのは彼なんだから。仕方ないでしょ?と気をつけるよう念を押した。
不意にプリントの隙間からちらっとこちらを見る芥川くんと目が合った。先ほどまでは眠っていたため気がつかなかったが、芥川くんの目は大きくくりっとして可愛らしい。ふわふわな金髪にくりっとした目、男の子には失礼かもしれないけれどかわいいという言葉がよく似合う容姿をしていた。