第2章 出会いの話
終業を知らせるチャイムが鳴ると、静かだった教室は賑やかになった。
初日だったけど、授業中は静かだったしわりとみんな聞いていた。出だしはよかったかな?いや、よくないよくない。
教卓から見渡し、終業後も相変わらず机に突っ伏したままの生徒の側まで歩み寄る、結局ずっと寝ていたのね・・・と呟いた。
「宍戸くん、私は先に戻るけど、芥川くんのこと頼んだわよ?」
眠っている彼の隣に目を向け再度声をかけその場を離れた。
背中越しに、彼ははぁ・・・とため息をつきながらも芥川くんを揺すっていた。
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「失礼します・・・」
そう言って宍戸くんは芥川くんを担ぐような形で連れてきてソファにドサッと下ろすと、起きろよジロー、と声をかけた。
ご苦労様、と声をかけながら芥川くんの顔を覗き込むと、ふぁぁ・・・と大きな欠伸をしながら体を伸ばす。
「じゃ、俺は行くんで。」
「ええ、ありがとうね。ほら芥川くん、起きなさい?」
先程のように声をかける。バタンと扉の音を立て、宍戸くんも出て行った。