第2章 出会いの話
「は?!なんで俺がっ」
担任の言葉に思わず声を荒らげた。
「よろしくね。」
宍戸、ドンマイ、と周りの奴らが小声で言っているのを聞いてため息をついた。
3年になって1ヶ月が経った。こんな時期に担任が変わるとは思わなかった。産休ってのを取るにもいろいろと決まりがあるらしい。4月の終わりに聞かされていたから誰も動揺はしていなかった。
・・・にしても、俺に落ち度はねぇよな?
ジローの奴・・・そう呟いて小さく舌打ちをし、授業を聞き始めた。
授業はまぁまぁわかりやすい。小林は授業ペースも速かったし、今度の奴はわかんねぇ所も考えながら授業は聞けそうだ。
ノートを取りながら隣に目をやると気持ちよさそうに眠るジローが目に入る。
「チッ・・・」
もう一度舌打ちをし、ぎゅっと鼻をつまんでやった。
「んんんっ・・・」
ジローはもぞもぞ動いて眉間に皺を寄せ、ぷはっと新鮮な空気を吸い込むとパチっと目を開けた。キョロキョロと辺りを見回すと、でかい欠伸をして再び机に突っ伏した。机には水たまりができていた・・・。