• テキストサイズ

ひみつ

第2章 出会いの話


「は?!なんで俺がっ」

担任の言葉に思わず声を荒らげた。

「よろしくね。」


宍戸、ドンマイ、と周りの奴らが小声で言っているのを聞いてため息をついた。


3年になって1ヶ月が経った。こんな時期に担任が変わるとは思わなかった。産休ってのを取るにもいろいろと決まりがあるらしい。4月の終わりに聞かされていたから誰も動揺はしていなかった。

・・・にしても、俺に落ち度はねぇよな?
ジローの奴・・・そう呟いて小さく舌打ちをし、授業を聞き始めた。

授業はまぁまぁわかりやすい。小林は授業ペースも速かったし、今度の奴はわかんねぇ所も考えながら授業は聞けそうだ。
ノートを取りながら隣に目をやると気持ちよさそうに眠るジローが目に入る。


「チッ・・・」


もう一度舌打ちをし、ぎゅっと鼻をつまんでやった。


「んんんっ・・・」

ジローはもぞもぞ動いて眉間に皺を寄せ、ぷはっと新鮮な空気を吸い込むとパチっと目を開けた。キョロキョロと辺りを見回すと、でかい欠伸をして再び机に突っ伏した。机には水たまりができていた・・・。



/ 59ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp