第8章 仮面
「は~食った食った!」
「お腹いっぱ~い!」
「ようあんだけの量食うたな・・・」
あのあと2人は追加でポテトやらデザートやらも食べていた。見ているだけでもたれそうやわ・・・。
「ふぁぁあぁ~眠くなってきたしぃ・・・」
「ここで寝んなよ!」
「すまん岳人、図書室寄りたいねん、ジロー送ったって?」
「しょうがねぇな、ほらジロー!行くぞ!」
「ん~~~・・・」
目をこすりながら、ジローは岳人に引っ張られて出て行った。
読み終わった小説を片手に、図書室へ向かう。今借りとったものは純愛ものでなかなか面白かった。次は何を読むか・・・この間新刊図書を入荷したという掲示を見たので新しいものを読もうか・・・。
ふと前を見ると、ジローんとこの担任が歩いていた。
興味を持っていた。そりゃ、新しい先生が来ればどんな先生か気になるやろ。でもそれ以上に、昨日知ってしまった、ジローとのこと。話すきっかけなんてないと思っていたがさっきのランチルームできっかけはできた。
「せーんせ?」
近づいて声を掛けると振り返ってこちらを見上げた。
「あぁ、さっきの・・・えっと・・・」
「忍足です」
「あ、だからおっしーって呼ばれていたのね?」
クスクスっと笑う顔は幼さを感じた。決して子どもっぽくはないが、なんとなく。