第5章 理性
徐々に体の力は抜けていき、先程までは自分の体を支えていたのにソファで横になる芥川くんにもたれかかってしまう。執拗に口内を犯され、やっと解放されたかと思うと芥川くんは下からこちらを見て、ペロッと舌を出して意地悪そうに笑っていた。
「っ・・・ぁ、あ、芥川くん、何するのっ」
「へへっ、楓ちゃん真っ赤だC~」
恐らく赤くなっているであろう頬に手を伸ばす芥川くんは頬をそっと撫で、もう片方の手で眼鏡を外した。
「なんかさ、眼鏡外すと百瀬ちゃんって感じ?」
「なっ・・・!」
そっちの方が俺は好き♪と言ってもう一度唇を重ねた。今度は何度も角度を変えながらもやっぱりなかなか解放してくれず、気づけば頭の下にはソファがあって、目の前には芥川くん越しに天井が見えた。
「百瀬ちゃんさ、俺の髪好きなの?」
私の上から自分の前髪をくるりと指に絡めて言うと、先ほど眠っている芥川くんの前髪に触れたこともバレているんだとすぐにわかった。だって、触れてみたかったんだもの・・・
罰が悪そうに横を向けば、ありがと!と言って軽くキスされる。
キスをする度に体が密着して、下半身に当たる芥川くんの熱を帯びたものに気づくと、ねぇ、シていい?とおねだりするのは中学生らしい、のかな。