第5章 理性
・・・なーんて、さっきまでの眠気はどこへやら。
毛布から香る楓ちゃんの匂いに、脳が覚醒してしまった俺は、寝たふりをしながら楓ちゃんの仕事を観察することにした。実は昼寝をしに来る時も、時々起きては見てるんだよね。
でも今日はいつもと様子が違って、なかなかその場を離れようとしないから、寝たふりを続けてみるけど・・・寝たふりって難しいC~!
見られてるから余計に。目を瞑ると力が入って、眉間に皺が寄りそうになる、力抜け~と自分に言い聞かせていると、前髪に触れられたのか少しくすぐったくて目を開けてしまった。
びっくりして目を見開く楓ちゃんと目が合い、理性を失った俺は思い切り抱き寄せて唇を重ねた。
「んんっ・・・!」
ビクッと体を震わせ、目をぎゅっと閉じる。キスは目を閉じるものだけど、そんなかわいい楓ちゃんが見たくて俺は薄目で見ていた。
「ん、っ・・・はぁ・・・」
楓ちゃんの口から漏れる声と息に俺自身も熱を帯はじめていることに気づく。楓ちゃんと言えば、肩をグッと押して抵抗しているつもりなんだろうけど、口が開いた瞬間を見逃すはずもなく舌をねじ込めば、徐々に力が抜けていくのがわかった。
ー 西陽を背に受ける楓ちゃんは綺麗だった。