• テキストサイズ

ひみつ

第4章 心臓の音が煩いと感じたのは初めてだ



ピピピピピピ・・・

アラーム音で目を覚ますが今日はやけに瞼が重たい。
結局あまり眠れなかった・・・これじゃ、昨日芥川くんに夜更かしのしすぎなんて言ったのに、人のこと言えないじゃない。
鏡で自分の顔を確認し、疲れた目元は丁寧にメイクをした。眼鏡で仕上げると、唇を噛み締め気合を入れる。
リップを乗せると昨日の情景が瞼の裏に蘇り、思わずそっと唇をなぞった。



ーーーーーーーーーーーーーー



家を出て学校までは電車を乗り継ぎ通勤する。最寄駅に着き学校に近づくにつれて氷帝学園の制服を着た生徒が増えてくる。中には車で登校する生徒もいる、流石と言ったところだ。


「楓先生おはよ~」と生徒たちからも挨拶をされ、本当、このご時世に恵まれているなぁなんて思ったりもする。



教室に入ると出欠を取り生徒たちを見渡す。
昨日、私の心を揺さぶった彼は、夢の中のようだ・・・。



「芥川くん、起きなさい?また補習になるわよ?」



肩を揺すりながら声を掛けるが、起きなかったら・・・また補習になって・・・。と心の隅で期待をしてしまう自分に気づき、どうしちゃったの・・・と不安になった。

/ 59ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp