第3章 それはマシュマロのような・・・
「ごめん楓ちゃん!わかんなくってさ・・・」
授業中は眠いし、休み時間も眠い。昼飯食ったら眠くなるし、プリントなんてやる時間ないっての。わかんないのも本当だけどさ。どさくさに紛れて楓ちゃんって呼んだらやめてって即答された。あちゃ~お堅いな。
プリントはその場でやることになった。四ノ宮センセーの椅子を借りて、背もたれを前に跨るように座ると楓ちゃんの机の端っこで解き始める。
「ここはこの公式じゃなくて、こっちの公式を使うのよ。ほら、代入してやってみて?」
「ん~こう?あってる??」
机に肘と顎をつき、言われた通り公式を解いてちらっと顔を覗き込む。メガネ越しから覗く目は俺の解いたプリントを見ていてこっちなんか見てくれない。
「正解、グラフは今の答えを入れていけばできるから、できたら見せてね。」
「へ~い・・・ふぁぁあ・・・」
あぁ、数字見てたら眠くなってきた・・・
「芥川くん、夜更かしのしすぎなんじゃない?」
「そんなことないよ~寝ても寝ても眠いっていうか・・・」
「そうなの?」
「なになになに??楓ちゃん心配してくれんの???」
さっきは目も合わなかったけど意地悪そうに下から覗き込んで無理やり目を合わせると、楓ちゃんはやめなさいと目だけ逸らす楓ちゃんの耳はほんのり赤くなっていた。
やっぱかわEじゃん?