第4章 眠っていた記憶
茜side
~数時間前~
私がパトカーに乗る事が乱歩さんへの一番の手助けになるということで、私は刑事の言うまま、パトカーに乗った。
その数分後。
黒い服に身を包んだ男が、パトカーの運転席に居る警官を
蹴り、こう言った。
??「俺はポートマフィアの中原中也。パトカーをその女ごと俺に引き渡せ。そうすりゃ報酬としてマフィアがお前の給料の十倍を出してやる。」
警官C「そんな事出来るわけ…」
??「いいのか?そうか。金はいらねぇんだな。」
警官C「っ…くそっ!!」
??「利巧な奴だ。」
そして男は、パトカーに乗り込んできた。
??「久しぶりだな、茜。」
茜「…?どうして、私の名を…。というか久しぶりって…?」
??「ふ、まぁそうか。」
男がアクセルを踏み、パトカーは勢い良く走り出す。
茜「ちょ、え?!何で私まで?パトカーが欲しかっただけでしょう?」
??「いいや?俺の狙いは御前だ。パトカーは…まあ、ついでだな。」
この中原と名乗る男は、何者なのだろう。何故、自分の名を知っているのだろう。
私の頭は混乱するばかりだ。
__猛スピードで走っていたパトカーが、急停止する。
茜「きゃ…!」
??「着いた。降りろ。」
茜「此処、は…」
??「ポートマフィアだ。ちょっと待ってろ…。___ん、ああ。俺だ。芥川、茜の護送が完了した。樋口を連れてポートマフィアへ戻ってこい。」
茜「…この人。ずっと前に頭の中に浮かんできた人に似てる…?」
3か月前の、初仕事の帰り道。不意によろめいたときに頭を過った、男の顔。同一人物と言っても良いほどそっくりだ。解らない。自分がどうしてこの男の顔を知っているのに会ったというエピソード記憶がないのか。頭が、ズキズキと痛む。
茜「そういえば、私の前職って…?」
凄まじい頭痛に耐えられなかったのか、私の思考は、其処でストップした。
少しだけ開いた目に自分の名を呼ぶ中原の顔が映り込む。その数秒後、私は気を失った。